TOKYO MXで放送された「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」内のコーナー【葛飾北斎コーナー】にて取り上げられた作品をまとめました。
今回の記事では2020年1月に取り上げられた内容についてまとめていきます。
番組内容に沿って、それでけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
北斎のお正月にまつわる作品
画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より
こちらは『富嶽三十六景』の中でも唯一の雪景色、「礫川雪ノ且(こいしかわゆきのあした)」という作品です。
番組監修の藤ひさし先生はこの作品について、「単なる雪見酒ではなくて、新年を祝って杯を上げているのだと思う」と言います。
それを踏まえてこの作品を見ると、年明け早々、雪の中に見えた富士にテンションが上がっているようにも見えます。
画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より
続いての作品は、同じく富嶽三十六景から「江都駿河町三井見世略図(えどするがちょうみついみせりゃくず)」です。
ここでははっきりとお正月の光景が描かれています。
凧があがってますもんね!
画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より
こちらは『富嶽百景』からの一枚。『夢の不二』という作品です。
「一富士 二鷹 三茄子」の初夢で見ると縁起の良いモチーフが描かれています
*こちらの作品は別の記事で詳しくまとめています。
『富嶽三十六景 東海道金谷ノ不二』
画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より
作品の読み方は「とうかいどうかなやのふじ」です。
人が多く、画面も明るいので賑やかな雰囲気が伝わってくるようです。
描かれている人の数は100人以上にのぼります。
画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より
ここで描かれているのは大井川という川です。
大井川は幕府にとって重要な場所という事で、防衛政策のために橋を架ける事も渡し舟も禁止されていたのです。
ここではその大井川を様々な方法で渡ろうとする人々が描かれているのです。
手前の方には肩車で渡ろうとする人、奥には籠のまま台に乗っている人などがいます。
水の描写から激しい流れなのが想像できますが、人々の様子はどこか楽し気に感じられます。
幕府によって大井川は東海道屈指の難所にされていましたが、そこを楽し気に描いた北斎。
「これは皮肉かもしれません」と藤ひさし先生は話していました。
『富嶽三十六景 東海道吉田』
画像出展元:テレビ番組「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」より
続いては『東海道吉田(とうかいどうよしだ)』という作品です。
描かれている場所は、現在の愛知県豊橋市です。
「富嶽三十六景」では珍しく、屋内の風景が描かれています。
(正確には茶屋の店先から中を覗いている光景ですが)
抜けの良い大きな窓からは富士山がしっかりと見えています。
人物がここまで大きく描かれているのも、シリーズ随一です。
画中には男女が描かれていますが、景色に夢中なのは女性ばかりで、男たちは景色そっちのけで何やら準備などしているようです。
「ほら見てみて!富士山きれいでしょ!」
なんて声が聞こえてくるようです。
小槌を振り上げている男性は、草履をたたいて柔らかくする作業中です。
振り上げた腕の筋や、あばらの感じがとてもリアルです。
この吉田宿は、京から江戸に向かった際に最初に富士が見える宿場と言われています
この女性たちもきっと江戸に向かう途中で、初めて見る富士に盛り上がっているのでしょう。
江戸時代の風俗をリアルに感じられる一枚です。
今回の記事はここまでになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。