2020年2月18日にBS日テレにて放送された「ぶらぶら美術・博物館」の【#337 誕生!アーティゾン美術館「開館記念展」〜ブリヂストン美術館が生まれ変わって新名所に!おなじみの名画から初公開作品も!】の回をまとめました。
番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい。
前回のパート4はこちらから☟☟
【ぶらぶら美術・博物館】アーティゾン美術館Ⅳ【印象派の女性画家】
今回のパート5では、まず注目のアジア人アーティストの作品から見てまいります。
《07.06.85》ザオ・ウーキー
《07.06.85》1985年
ザオ・ウーキー
27歳まで中国で絵の勉強をして、その後フランスに渡り活躍しました。
2018年のサザビーズオークションでは、作品が約74億円で落札され話題になりました。
この額はアジア人アーティストの過去最高額になります。
彼の作品の特徴はそのタイトルにあります。
この作品でも数字が羅列されていますが、これは作品の制作年月日です。
日・月・年の順に記されているので、この作品だと1985年の6月7日に描かれたという事になります。
ザオ・ウーキーの家柄は、宋王朝まで遡れる名家でした。
北京に生まれ、教養を身につけ、それで画家になりフランスに渡りました。
ですので、中国の文化や東洋の文化をたいへんよく理解している知識人でもあるのです。
そこから更に西洋美術を勉強し、自分のルーツと混ぜ合わせ、段々と抽象絵画になっていきました。
何が描かれているか?
人によっては、
「飛行機に乗ったときに上から見えるビーチ」
「橋のある情景」
「川」
と様々な意見が出てくる作品です。
ちなみに僕は「海底」に見えました。
灰色が海底の底で、青が海水の部分です。
アーティゾン美術館の教育普及部長の貝塚さんによると、小学生にこの作品は人気があるそうです。
そこで、この作品が何に見えるか聞くそうです。
そうすると、「海」だったり、海底で右上端の白いのが「潜水艦のライトだ」だったり、「宇宙船の窓から見た景色」だったりと本当に様々な感想が飛び交うそうです。
小学生の発想力には驚かされますね!
同じ質問を2011年にした際には、皆「津波だ」と言ったそうです。
彼の作品は世の中の動きや、時代によって見え方が変わってくるのです。
なので「何が描かれているのか?」という質問の答えはなく、鑑賞者が自由に作品の感想を持てる作品なのです。
なのであえてタイトルもつけず、記号的に数字だけにしているのでしょう。
《洛中洛外図屏風》
《洛中洛外図屏風》
江戸時代、17世紀
こちらは今回の展覧会で「初公開」となる作品です。
そもそも「洛中洛外図」とは京都の洛中=市街と、洛外=郊外の街並みを描いた図の事です。
多くの有名絵師がこの画題の作品を残しています。
この屏風は近年発見されたものです。
色味がたいへん鮮やかに残されています。
左隻(左側の屏風)には、嵐山や金閣寺、二条城が描かれています。
二条城は、正式名称を「元離宮二条城」といい江戸時代に徳川氏によって造られました。
ですので、この屏風でも城の前には「葵の御紋」が見えます。
そこには行列がずっと描かれていますが、これは家康の孫娘で秀忠の娘の和子(まさこ)の天皇家への嫁入り行列の様子を描いています。1620年6月18日の出来事です。
続いて右隻にいきますと、こちらには内裏(御所)があります。
こちらは京都の東半分を描いており、清水寺や三十三間堂といった名所が描かれています。
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[…] パート4はここまでです。 次のパート5でラストです。日本、そしてアジアの画家の作品をまとめていきます。 【ぶらぶら美術・博物館】アーティゾン美術館⑤【アジア・日本の画家】 […]