【日曜美術館】第76回正倉院展③【まとめ】

日曜美術館

2024年11月3日にNHKにて放送された「日曜美術館」の【天平の輝き ふたたび 〜第76回正倉院展〜】の回をまとめました。

番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。

今回の記事はパート3になります。

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『沈香木画箱』

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

正倉院には聖武天皇ゆかりの品々だけではなく、東大寺の法要で使用された宝物も納められています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

沈香木画箱(じんこうもくがのはこ)』は中に供物を入れて、仏前に献上するための箱です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

箱全体に繊細な幾何学模様が施されています。
ここには「木画(もくが)」と呼ばれる、寄せ木細工の技法が使われています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

細かい部分だと1ミリ以下の木が組み合わさっている箇所もあります。

この『沈香木画箱』は日本でつくられたとされています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

番組では指物師の坂本曲斎さんが、寄せ木細工の工法について解説しました。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

木画に用いられる素材は、香木や動物の骨などです。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

まずは「石畳文(いしだたみもん)」の作り方です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

まず2色の木材を薄く切りそれらを貼り合わせます。
これをいくつも重ね、分厚くなったものを薄く切ります。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

それを互い違いに組み合わせることで石畳文が完成します。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

続いては箱の縁を装飾に使われている「矢羽根文(やばねもん)」のつくり方です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

薄い素材を貼り合わせて縞模様になった木材。
これを斜めに切り、合わることで矢羽根文になります。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

またこの『沈香木画箱』は沈香やビャクダンといった香木を材料としているため、作られた当初はとても良い香りのする箱だったと考えられています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

香木を材とすることで、その香りも仏に捧げていたのです。

『緑地彩絵箱』

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

こちらの『緑地彩絵箱(みどりじさいえのはこ)』も東大寺で使われた献物箱です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

表面の花柄は、一見すると絹製の織物を貼っているように見えますが、実はこれらは全て絵で描かれたものです。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

さらに縁の部分の玳瑁(たいまい)の装飾のように見える部分も、金箔と顔料を使って手書きで表現されています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

脚の部分を見てみると、こちらも一見透かし彫りの金具ような表現に見えますが…
こちらも木に金箔を貼り、その上から墨で文様を描いています。

限られた条件下で最高の献物箱を作りたい」という職人の創意工夫が見て取れます。

『漆彩絵花形皿』

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

続いての宝物は『漆彩絵花形皿(うるしさいえはながたざら)』。
こちらは供物を盛りつけるための皿です。

素材はカツラという木で、その一枚板を複雑な花形に彫り出しています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

この宝物の見どころは”皿の裏側”です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

縁の部分には金箔や顔料を用いて、愛らしい花の文様が描かれています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

こちらの宝物は供物を乗せて高いところ上げて、仏に捧げられました。
その際に器が美しく見えるように、このようなデザインになったと考えられています。

『紫檀金銀絵書几』

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

左右に2つずつ金属の輪がある不思議な形です。
こちらは『紫檀金銀絵書几(したんきんぎんえのしょき)』という宝物です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

シタンという貴重な木が柱に使われており、そこに繊細な彩絵が金や銀で表されています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

紫檀金銀絵書几』はこの画像ように、巻物を広げて固定するための台に使われていた考えられています。
左側の輪に巻物を置いてそこから広げる、というような使い方です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

両端の輪っかの部分が開くようになっており、ここに巻物を固定します。
しかしこれだと巻物を進める際に紙が擦れてしまいます。

ですので日常的に使うためのものではなく、儀礼等の特別な催事の時に、象徴的に飾るためのものであったと考えられています。

今回の記事はここまでになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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