【開運!なんでも鑑定団】生賴範義のスター・ウォーズの絵/他【美術情報まとめ】

美術番組

2025年5月13日にテレビ東京で放送された「開運!なんでも鑑定団」の【生賴範義のスター・ウォーズの絵/幹山伝七の植木鉢/康熙帝時代の磁器】についてまとめました。

番組内容に沿ってそれでけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。

*画像出展元:テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」より

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世界が認めたイラストレーター 生賴範義

あるときは壮大な宇宙を圧倒的な迫力で。

そしてまたある時はモノクロの世界を超絶技巧で。

描いたのは生賴範義(おおらい のりよし)
世界が認めたイラストレーターである。

1935年、兵庫県の生まれ。
高校卒業後、画家を志し東京藝術大学絵画科へ入学
人物デッサンに没頭したが、「もう学校で教わることはない」と3年で中退してしまった。

その後はアルバイトをしながら絵を描き続け、25歳の時に銀座で初の個展を開催
モディリアーニを思わせる『少女像』などを展示し、好評を得たものの、作品は一枚も売れなかった

2年後、結婚を機にイラストレーターに転向。

その名が広く知られるようになったのは、1966年に手がけた吉川英治全集』の新聞広告がきっかけであった。

ペンによる点描を用いた人物画は、繊細さと豪快さの融合が実に見事であった。

以降高い評価を得て、小説の表紙のためのイラスト、いわゆる”装画”の仕事が舞い込むようになる。

こちらは小松左京の『復活の日』。
ミケランジェロの彫刻をモチーフにした細密な描写で、この絵を目にした小松自身が「書いたのは日本人か?嘘だろう」と驚嘆した。

その後はSFのみならず、ミステリー・時代物・伝記などさまざまなジャンルの装画を担当。

あの人気オカルト情報誌、『ムー』の創刊号の表紙を飾ったのも生賴の絵である。

生涯掛けた装画はおよそ1500点

その才能は映画界も放ってはおかなかった。

1977年アメリカで公開され、大人気を博した『スター・ウォーズ』。
その第2作「帝国の逆襲」の日本版ポスターの依頼を受けたのである。

手前の主人公は小さく、後ろの人物や宇宙船を大きく描くという遠近法を無視した画期的な構図や、

通常、黒や濃紺が用いられる宇宙空間を、緑で表現した斬新な発想をジョージ・ルーカスも絶賛。

国際版ポスターにも採用された。

更に『グーニーズ』や『マッドマックス2』。

『ゴジラ』シリーズなどのポスターを制作。

他にはレコードジャケット。
『信長の野望』に代表されるゲームのパッケージ。

さらに商業広告なども手掛けたが、圧巻だったのはこちらのたばこ会社のポスター

街並みから男が身にまとう衣装に至るまで、白と黒の濃淡のみで細密に描いており、写真を超越したリアリティに満ち溢れている。

どんな仕事においてもアシスタントを一切使わず、毎日10時間以上、アトリエに籠り、すべて一人で描き切った

次のような言葉を残している。

私は肉体労働者であり、
作業の全行程を手仕事で進めたい。
一貫して目と手によって画面を支配したい

79歳でこの世を去ったが、アトリエには大量の未完の油絵が…。

こんな言葉が口癖だった。
この仕事を完成させるには、120歳まで生きんといかん

生賴範義のスター・ウォーズの絵

改めて依頼品を見てみよう。
生賴範義の絵である。

縦72cm、横48cm。
映画『スター・ウォーズ』に登場する宇宙船ミレニアム・ファルコンが宇宙空間に浮かんでいる。

機体はもちろん、星の一つ一つまで実に細かい。

生賴の作は市場に出回ることが少ないため、もし本物なら極めて貴重だが…
果して、鑑定やいかに?

生賴範義の絵 超貴重!250万円

すごい!250万円!

生賴範義さんの直筆画はなかなか出てきません」

「まず金額についてですが、オークションでしたら、購入額の350万を超える可能性も十分に考えられます

「この絵はですね、1983年『ジェダイの帰還』の公開の際、当時の劇場で販売されていた生賴さんのオリジナルスケッチコレクション、5枚ワンセットの中に入っています。ですので、来歴がしっかりしているものとなります」

「画材はですね、アクリル絵の具です。油絵の具と違って乾くのがとても早いです。数多くの仕事を抱えていた、ご自身の仕事のスピードを考えて、この絵の具で描かれていました。今後とも大切になさってください」

幹山伝七の植木鉢

明治時代に活躍した京焼の陶工、幹山伝七の植木鉢。
盆栽を趣味とする依頼人の父が展示会で見つけ、100万円で購入したとのこと。

購入額より50万円アップ!

幹山伝七の植木鉢、間違いございませんね」

「作られたのは明治時代初期幹山っていう人はね、いち早く西洋から伝わった釉薬を取り入れた」

「その上に細い金彩でもって唐草文様」

「このまた絵がいい。(まずこちらの)鶏」

「東海道の蒲原の富士」

「そして七夕の親子ですよ」

幹山伝七の作品っていうのはね、概ね洋食器なんです。植木鉢は珍しい。大珍品!大名品!」

中国・清朝 康熙帝時代の磁器

数年前、依頼人が骨董市で発見。

残念!偽物でした。。。

「ひどいもんだね~」

「康熙帝の時世は生活・文化・調度品すべて非常に内面的な力がある。手抜きがない」

「これを見るといくつか絵がありますけど、雑な描き方だね。全体を見るとね、なんか型で作ってるね」

今回の記事はここまでになります。

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