【アートステージ】絵画で見るクリスマス物語【美術番組まとめ】

アート・ステージ

(前ブログ「masayaのブログ美術館」からのリライト記事になります)

2018年12月22日にTOKYO MXで放送された「アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~」の【絵画で見るクリスマス物語】の回をまとめました。

番組内容に沿って、それでけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。

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イントロダクション

イエス=キリストの誕生を祝うクリスマスは、キリスト教徒の方々にとって大切な一日です。

多くの西洋の画家たちが、その特別な一夜の様子を描いています。
絵画に描かれた聖なる夜、クリスマスのストーリーを今回はまとめていきます。

《キリストの降誕》バロッチ


《キリストの降誕》1593年頃
フェデリコ・バロッチ
プラド美術館蔵
中東のパレスチナにある町、ベツレヘム

イエス=キリストはこの地で誕生しました。
この《キリストの降誕》では生まれたばかりの幼子イエスの姿が描かれています。

舞台はとある家畜小屋の中。
イエス聖母マリアに光があてられ、まるで浮かび上がっているように見えます。

画面後方で聖母子を指さしているのは、ヨセフです。
ヨセフ聖母マリアの二人は旅をしていたのですが、その夜はどこの宿も埋まっており、仕方なく家畜小屋で一晩を過ごすことのなったのです。
画面右の牛が、この場所が家畜小屋である事を表しています。

生まれたばかりのイエスは、敷き詰められた藁の上に寝かされています。
まるでそのイエスから光が放たれているかのような、繊細で見事なその表現は画家フェデリコ・バロッチの得意とする表現です。
また、聖母マリアが身に纏う暖色系の装いは、彼女の優しさや温もりを表しています。

この作品は西洋美術の中でも、「救世主誕生」の場面を描いた代表的な作品です。

画家フェデリコ・バロッチについて

1600年頃の自画像(フェデリコ・バロッチ)

フェデリコ・バロッチ(Federico Barocci、1535-1612)は、16世紀後半のルネサンス期にイタリアで活躍した画家です。

バロッチヴェネツィア派ティツィアーノ(1488/1490頃-1576)やラファエロ(1483-1520)の影響を受けました。

彼の才能に嫉妬した他の画家によって、サラダに毒を盛られたというエピソードも残されています。

《羊飼いの礼拝》ムリーリョ


《羊飼いの礼拝》1650-55年
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
プラド美術館蔵
この作品では、先にご紹介した《キリストの降誕》の次の場面にあたるシーンが描かれています。

描いたのは17世紀のスペインで活躍したバルトロメ・エステバン・ムリーリョ(Bartolomé Esteban Murillo、1617-1682)です。

幼子イエスの周りに人が集まっています。
先の《キリスト降誕》でヨセフが呼び寄せていたのが、ベツレヘム郊外に住む貧しい羊飼いたちです。

イエスが生まれた時、夜を徹して家畜の番をしていた彼らの元に天使が現れました。
天使は羊飼いに、救世主が生まれたことを告げます。
それを聞き、彼らはベツレヘムへと向かい、生まれて間もないイエスに礼拝を捧げたのです。

画家ムリーリョについて

1670年から73年頃の自画像

ムリーリョは、聖母マリアの「無原罪の御宿り」を題材とした作品を多く残しました。
あのベラスケスと同時代の画家で、当時のスペインで絶大な人気を誇っていました。


《無原罪の御宿り》1678年頃
ムリーリョ
プラド美術館蔵

《聖なる夜》コレッジオ


《聖夜》1522-30年頃
アントニオ・アッレグリ・ダ・コレッジオ
ドレスデン絵画館蔵

この作品も《羊飼いの礼拝》と同じ場面を描いた傑作です。

ムリーリョの作品が日常性があったのに対して、こちらはかなり幻想的な雰囲気です。

聖母マリアの表情は慈愛に満ちており、これは画家コレッジオが得意とした甘美な表現です。

眩い光に目を細める女性。
嬉しそうな表情で見上げる女性。
羊飼いの表情や仕草も様々に描き分けられています。
彼らの驚きや喜びが伝わってくるようです。

アントニオ・アッレグリ・ダ・コレッジオ(1489-1534)は、16世紀のイタリアで活躍した画家です。

《幼児虐殺》ルーベンス

*画像はかなりショッキングなので、載せていません。
気になる方は、「ルーベンス 幼児虐殺」で検索してみて下さい。

救世主イエスの誕生は喜ばしい事ばかりではありませんでした。

その当時ユダヤを支配していたヘロデ大王という王がいました。
救世主の誕生を耳にした彼は、いずれイエスが成長すると自分の地位が危うくなると考え、ある命令を下すのです。
それは「2歳以下の全ての男児を殺害する」という極めて残忍なものでした。

ルーベンスが描いた《幼児虐殺》はその命令が下され、実行されている場面が描かれています。
男は容赦なく赤ん坊を奪い、女性も必死に抵抗しています。
地面にはすでに息絶えた赤ん坊の姿も見えます。

ルーベンスのリアルすぎる筆がより臨場感を醸し出しており、その凄惨さは目を背けたくなるほどです。

ちなみにヘロデ大王というと、その息子のヘロデ=アンティパスギュスターヴ・モローが描いたことで知られる「サロメ」のエピソードに登場する人物です。

さいごに

イエスの誕生にちなんだ絵画作品、いかがでしたでしょうか。

キリスト教徒の方々にとっては全ての始まりともいえる大切な日です。
イエス誕生の日の夜空には、神の子の誕生を告げる星も出ていたといいます。
それを見て、三人の人物がイエスの元に向かいます。
それがあの有名な《東方三博士の礼拝》です。

このエピソードについてはまた別の機会にブログにアップしようと思います(*^-^*)

最後までご覧頂きありがとうございました。

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