【アートシーン】川合玉堂展 他

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2026年6月7日・14日にNHKで放送された「日曜美術館アートシーン」の展覧会紹介の内容をまとめました。

*画像出展元:テレビ番組「日曜美術館 アートシーン」より

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特別展「日本・ベルギー修好160周年記念 ―美と知の交流の軌跡―」

光をはね返す眩いばかりの金色。
何人もの名工が力を結集し、実に3年9か月もの月日をかけて完成させた豪華な蒔絵の文箱(ふばこ)です。

かつて明治天皇からベルギーへと贈られた「美の外交官」。

百年の時を超え、ベルギー国外で初めて公開されます。

日本とベルギーの修好160周年を記念し、海を渡った名品の数々が里帰りしました。

1866年、日本とベルギーは修好通商航海条約を締結

こちらは当時取り交わされた条約の原本です。

「本来ですと条約は交換されますので、両国に批准書が存在しているわけですけども、日本側にありました批准書については、関東大震災の折に焼失してしまっておりますので、批准書はベルギー国にしか存在していないということになります」(國學院大學 准教授 渡邉卓氏)

「こちらに徳川慶喜のサインがされておりますが、徳川家は「源」ですので、ここのサインは『源慶喜(みなもと の よしのぶ)』というふうに書かれております」(渡邉氏)

19世紀末、ヨーロッパを席捲したジャポニスム。
ベルギーでも多くの浮世絵が収集されました。

とりわけベルギー王立美術歴史博物館の浮世絵コレクションは保存状態が良く、質が高いことで知られます。

多色摺りの木版画「錦絵」を生み出した鈴木春信
初期の貴重な傑作です。

退色しやすい植物性の紅がこの鮮やかさ。
着物の地模様には紙に凹凸をつける「空摺り(からずり)」が。

ベルギーの所有者は浮世絵の美を深く理解し、大切に守ってきたことを物語ります。

こちらは喜多川歌麿
文机(ふづくえ)にもたれかかり、うたた寝する遊女の姿。

どうやら裕福な武家に身請けされる夢を見ているようです。

現代の漫画を思わせる吹き出しの表現は、当時のベルギーのコレクターにも新鮮に映ったかもしれません。

東京・渋谷区の國學院大學博物館で2026年6月28日まで。

【開館60周年記念特別展1】 川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―

日本画家・川合玉堂の言葉です。

「大自然に接して、その感じをしばしば受けておくと。描くときには自分の主観でもって、そこへ表現するというのでしょうか」

「色はそうでなくても、自然そのままじゃなくても、見る人がその人その人の経験から、自分の想像を引き起こして楽しんでもらえるということがあるようですね」

見る人がどこか懐かしさを感じずにはいられない日本の風景。
川合玉堂初期から晩年の作品、76点が公開されています

愛知に生まれ、岐阜で育った玉堂は13歳で写生を重んじる京都の円山四条派のもとで日本画の基礎を学びました

ふるさとの情景を描いて、高い評価を受けた22歳の作品《鵜飼》。

かがり火のもと、長良川の鵜飼が生き生きと描かれています。

京都画壇の俊英として名をあげた玉堂
しかし翌年上京し、今度は狩野派の門をたたきます

新たな師・橋本雅邦の影響が色濃い作品。
奥行きのある構図や色彩に師の作風が反映されています。

狩野派の力強い筆法と、リアルな空間描写を融合した近代的な画面が生まれました。

そこに玉堂は生きる人々の姿を添えることを忘れませんでした。

「狩野派を体得したうえで、やっぱり同時代の人々の暮らしっていったものをその風景画の中に取り入れて描いていくようになったんだと思うんですね。そこには”写生を絵の中に生かす”ということが、玉堂の風景画の基本になっていったんだと思います」(山種美術館 館長 山﨑妙子氏)

大正から昭和にかけて玉堂は古きよき日本の原風景ともいうべき独自の風景画を確立します。

農家の婦人2人を乗せて力いっぱいワイヤーを手操る船頭を、見下ろす構図で描いています。

水面を揺らす春風と新緑が暖かな春の到来を告げています。

昭和18年、70歳の作品《山雨一過》。

雨が過ぎ去って、雲が流れる晴れ渡った山あいの道。
馬子のござ蓑が風を受けてたなびいています。

日本画の妙は、線と色彩の調和にあると確信していた玉堂の心地よい傑作です。

空襲を避けて奥多摩に疎開した玉堂は、ここを題材に描くようになります。
俯瞰の構図がユニークな《早乙女》。

田植えにいそしむ農婦たちの表情。
手拭いを直す仕草など、玉堂の人々への温かいまなざしが伝わってきます。

戦後、第1回の日展に出品した《朝晴(あさばれ)》。

手前の岩や木は明瞭に描写し、山路を行く人や馬の中景から遠くの雪山にかけて徐々に霞がかったように…。

清々しい大きな空間に新たな時代への希望が感じられます。

この展覧会は東京・渋谷区の山種美術館で2026年7月26日まで開催です。

特集展示 ガンダーラの仏像と仏伝―釈尊のすがた―

史上初めて仏像を生み出したガンダーラの仏教美術を紹介する展覧会です。

古代インドの北西・インダス川の上流域に位置するガンダーラ。
アレクサンドロスの大王の東征などにより、ギリシャ・ローマ文化の影響を受けたこの地に仏教が伝わり、紀元1世紀ごろ独自の仏教美術は生まれました

釈尊の姿はガンダーラで初めて仏像として刻まれました。

彫りの深い顔立ち。
ウェーブのかかった頭髪。

内側の肉体をも感じさせるリアルな衣。
これらはギリシャ彫刻の影響によるものとされます。

ガンダーラでは釈尊の生涯、仏伝を表した浮き彫りも数多く作られました。

こちらは誕生の場面。
中央に立つのが母マーヤー

右脇腹から釈尊を出産し、帝釈天が受け取っています。

こうした仏伝彫刻は、釈尊の遺骨を納めたストゥーパ(仏塔)の外壁を飾っていました。

悟りを開いた釈尊が初めて説法を行う場面。
ひときわ大きく表された釈尊の周囲には、その尊い言葉に心動かされる人々の姿。

感心する者、驚く者、心の内に深くとどめようとする者。
その表情が見事に描き分けられています。

この展覧会は東京・千代田区の半蔵門ミュージアムで2026年9月27日まで開催です。

今回の記事は以上になります。

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