2023年12月17日にNHKにて放送された「日曜美術館」の【永遠なるサグラダ・ファミリア 〜“神の建築家”アントニ・ガウディ〜】の回をまとめました。
番組内容に沿って、それだけでなく+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
今回の記事はパート2になります。
前回のパート1はこちらからご覧いただけます☟☟
【日曜美術館】サグラダ・ファミリア①【美術番組まとめ】
『カサ・ビセンス』
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディはショーケースのデザインを手掛けたことを機にチャンスを掴みます。
この『カサ・ビセンス』は株の仲買人として成功をおさめたビセンス氏の別荘で、ガウディが初めて手掛けた資産家の邸宅です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
随所に異国の建築様式の影響が見られるのが、この建築の特徴です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
こちらはタバコを吸うために造られた部屋です。
東洋建築の影響が見られますが、これは19世紀末に流行していたデザインです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
異国のデザインだけでなく、ガウディが幼い頃に慣れ親しんだ自然のモチーフも随所に見られます。
この建築は若くエネルギッシュなガウディが自分の才能をアピールする、所信表明のような建築といえます。
サグラダ・ファミリア建設のはじまり
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディは31歳の時にサグラダ・ファミリアの主任建築家に任命されます。
元々サグラダ・ファミリアはフランシスコ・ビリャールという建築家が設計行っていましたが、辞任してしまったため、ガウディに白羽の矢が立ったのです
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
サグラダ・ファミリアの建設計画は19世紀後半に持ちあがりました。
当時のバルセロナは工業化が急速に進み、庶民の間で貧富の差が拡大していました。
そんな中で貧しい人たちが僅かなお金を持ちより、「自分たちのための教会を自分たちで建てよう」として始まったのがサグラダ・ファミリアでした。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
1882年から建築工事が始まります。
しかしその翌年、地下礼拝堂の建設中にビリャールは辞任してしまいます。
ビリャールの仕事を引き継いだガウディはまず最初にこの礼拝堂の建設に取り掛かります。
その時ガウディは「サグラダ・ファミリアは10年で完成する」と約束したといいます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
しかし建設資金の調達に難航し、建設工事は思うように進みません。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
作業員に支払う賃金もなくなり、工事はたびたび中断を余儀なくされました。
ガウディが手掛けた邸宅や家具
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
サグラダ・ファミリアの建設が進まない一方で、ガウディへの富裕層からの仕事の依頼は途切れることがありませんでした。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディが手掛けたこちらは邸宅は、繊維業で成功したグエル伯爵の屋敷です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
世界屈指の富豪に相応しい、豪華な建築になっています。
中央ホールの壁や柱には色とりどりの大理石がふんだんに使われています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
天井は巨大な銅板で覆われ、そこに空けられた穴からは光が差し込むようになっており、まるで星空の下にいるような演出が施されています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディは人目につかない場所でも手を抜きません。
屋根に突き出た暖炉の煙突もこのように装飾的になっています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディの手にかかればそれまで無味乾燥であった屋上の概念すら変わってしまうのです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
こちらはバトリョ氏のお屋敷です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
吹き抜けの壁一面が青色のグラデーションに覆われ、まるで海の底に下りていくようなつくりになっています。これは”海底洞窟”のイメージといわれています。
ガウディはサグラダ・ファミリアの建設が進まない中で、これらの邸宅を手掛けながら腕を磨いていきました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
こちらはガウディが手掛けたバトリョ邸のために作られた2人掛けの椅子です。
ガウディは邸宅内の家具も自らプロデュースしました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディはスペインのグエル公園にある曲がりくねったベンチを作る際に、実際に職人を座らせて型を取り製作しています。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディは椅子をつくる時は座り心地にとてもこだわりました。
機能がまず優先され、そこから彼のオリジナル性や奇抜さが出ているのです。
逆さ吊り実験
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディの奇抜さは時に批判を浴びる事もありました。
しかしガウディはただ奇抜なものを生み出していたわけではありません。
そこには何度も行われた研究成果が反映されていたのです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
それを物語るのがこちらの展示です。
上から何かが吊らされています。
これだけを見るとなんだか分かりませんね…
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
展示の真下に設置された鏡を覗き込むと、何か建物ようなアーチ状のものが見えてきます。
この鏡の中に映る不思議な造形。
これこそがガウディが実験の末にたどり着いたものでした。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディはとある教会を設計するために「逆さ吊り実験」という名の実験を10年にわたって行いました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
上からたらした紐に重りを着けて重力がかかるようにします。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
さらに重りを追加して、もっとも安定する形を見つけます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
こうして得られた曲線を逆さにすると、重力にかかるそのままな自然界の造形を得られるとガウディは考えたのです。
まさに重力を味方につける構造の研究です。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
それを繰り返し行い、ひもの長さやおもりの重さを調整します。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディはこのようにして理想的な全体像を目指したのです。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
その道のりは10年の歳月を要しました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
バルセロナ郊外のコロニア・グエル教会堂。
10年かけたこの教会のための実験は、残念ながら第一次世界大戦の影響で建設が中断してしまいました。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
内部は実験の成果が活かされ、森の木々のような強く美しい柱を見ることができます。
工事をした職人たちは「積み上げたレンガが崩れるのでは?」と心配しながら作業していたといいます。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
こちらはガウディが考えたホテル建築の模型です。
ニューヨークに建てられる予定でしたが、こちらも日の目を見ることはありませんでした。
東京タワーよりも高い、全長約360メートルの超高層ホテルです。
もしこのホテルが完成していたら、今のニューヨークとは違う雰囲気だったかもしれません。
画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より
ガウディ作品・建築に見られるこのフォルムは生涯を通じてくり返し使われたテーマでした。
それは強さと美しさを兼ね添えた唯一無二の造形だったのです。
今回の記事はここまでになります。
パート3の記事に続きます☟☟
【日曜美術館】サグラダ・ファミリア③【美術番組まとめ】
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[…] 今回の記事はパート3になります。 前回のパート2の記事はこちらから☟☟ 【日曜美術館】サグラダ・ファミリア②【美術番組まとめ】 […]