【日曜美術館】棟方志功と師・柳宗悦①【美術番組まとめ】

日曜美術館

2020年7月26日にNHKで放送された「日曜美術館」の【自然児、棟方志功〜師・柳宗悦との交流〜】の回をまとめました。

番組内容に沿って、+α(美術検定で得た知識など)をベースに、自分へのメモとして記事を書いていこうと思います。
見逃した方やもう一度内容を確認されたい方は是非ご覧になって下さい(^^♪

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イントロダクション

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

棟方志功の傑作《二菩薩釈迦十大弟子》。
釈迦の10人の弟子たちと菩薩の姿を描いた作品です。

この作品は1955年(昭和30年)にサンパウロ・ビエンナーレで版画部門最高賞、翌1956年(昭和31年)にはヴェネツィア・ビエンナーレでグランプリを受賞しています。

世界のムナカタ」としてその名が知れ渡りました。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

そんな棟方をサポートし、世界的巨匠に導いた師がいます。
柳宗悦(やなぎ むねよし、1889-1961)、民藝運動で名高い思想家です。

棟方は作品が完成すると、真っ先に柳宗悦に見せたといいます。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

棟方の手がけた版画作品を、自ら考えたデザインで表装しました。
この作品では絵の色合いを考慮して、茶色と青色の市松模様になっています。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

こちらの作品では、放射状に伸びる光線のようなデザインが施されています。
これには後光がさしているようなイメージで製作されたといいます。

今回はそんな棟方志功柳宗悦の25年間に及ぶ交流についてまとめていきます。

日本民藝館

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

東京都目黒区駒場にある日本民藝館(にほんみんげいかん)
1936年(昭和11年)に開館したこちらの美術館では、主に伝統的工芸品を収蔵展示しています。

この民藝館を構想し、初代館長となったのが柳宗悦でした。
また「民藝(みんげい)」という言葉作り出したのも、でした。
彼は無名の職人たちが作った日用品の中に美を見出したのです。

そしてそれを世に広めるために、民藝運動を繰り広げました。

棟方志功と柳宗悦の出会い

棟方の最初の出会いは日本民藝館が開館する直前の事です。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

二人が出会うきっかけとなった作品が《大和し美し(やまとしうるわし)》です。
棟方倭建命(やまとたけるのみこと)の生涯をうたった叙事詩に感銘を受け、この作品を制作しました。

20図から構成された版画作品で、ここにはその詩の文字と絵が混然一体で表わされています。
棟方は版画の美しさとは、「白と黒の対比」にあると考えていました。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

1936年(昭和11年)の国画展に出品されたこの作品を、展示会場で偶然目にしたはたちまち魅了されます。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

はその時の事をこう述べています。
変にゴチャゴチャしたものが眼に映った。
眼を近づけると驚いた。
その混雑した中から妙な美しさが光り出るではないか。
実に前代未聞の作にぶつかったのだ

は《大和し美し》にたいへん心を打たれた旨を棟方に伝えました。
そうすると棟方は「いいなあ」と叫び、いきなりにかじりついてきたといいます。
棟方の風貌は髪がくしゃくしゃで胸毛も生えており、「今の時代のものではない原始人のようだった」とは言っています。

はこの作品を当時250円という高値で買い入れました

棟方志功の生い立ち

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

棟方志功は青森の鍛冶屋を営む家の三男として生まれます。
少年時代に目にしたゴッホの《ひまわり》の絵ハガキを見て感動し、「わだばゴッホになる」と言い画家を目指して上京します。

その後20代後半で版画家に転向します。

との出会いのきっかけとなった《大和し美し》は3年の歳月をかけて完成した作品でした。

画像出展元:テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」より

棟方が初めて日本民藝館を訪れた時のエピソードが残されています。
部屋の正面に置かれた大きな鉢に棟方は目を奪われました。

そんな棟方は言いました。
「これは九州の職人の作ったものだよ。君は鍛冶屋の子どもだと聞いたが、君の父親が刃物を作るのと同じなのだよ」と。

棟方はこの言葉に深く感動し、涙したと言います。

画像出展元:テレビ番組「日曜美術館」より

棟方志功研究家の石井頼子さん
石井さんは棟方の孫にあたり、18歳まで一緒に暮らしていました。

棟方の中には父親に対して相反する二つの思いがあったのでは?」と石井さんは言います。
一つは職人として尊敬している気持ち、もう一つは「それでも職人ではしょうがない、偉い芸術家にならなければ意味がない」という思いです。

そんな棟方に対して柳宗悦は「そんな事は関係ない。無名の職人でも生まれてきたものが美しければそれでいいのだ」と説いたのです。

石井さんはこのの言葉は棟方にとってたいへん嬉しいことだったのではと話します。

今回の記事は以上になります。
続くパート2では、棟方が手掛けた作品についてまとめていきます。
こちら☚からご覧いただけます。

コメント

  1. […] 2020年7月26日にNHKで放送された「日曜美術館」の【自然児、棟方志功〜師・柳宗悦との交流〜】の回をまとめました。 今回の記事はパート2になります。 前回のパート1はこちら☚からご覧いただけます。 […]

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